流暢な英語でなくても会議で相手に印象を残せる方法とは?

The Halo Effect

- Why native English speakers often equate strong English skills with being good at your job

by Karl O’Callaghan

海外での会議はアウェーでの国際試合と同じで、周囲は理解不能な見知らぬ顔ばかり。そんな時、欧米人なら、会議の相手側に流暢な英語を話せる人がいれば、救われる気持ちになることも解らないではありません。これがハロー効果、すなわち「認知バイアス」です。この罠に嵌ると、会議の間中イニシアチブは、一見すべての把握してそうな英語巧者にもってゆかれ、本来は会議の主役でも英語発展途上のあなたはネイティブにスルーされる恐れがあります。

 

そんなとき、しっかりと相手の印象に残る振舞い方について、大使館の通商担当として多くの日本人との豊富なビジネス経験を持つカール先生が、ネイティブの側から見たヒントを教えてくれます。

Have you ever sat in a meeting room with visitors from overseas? Have you noticed that often these guests will tend to talk to the people in the room who can confidently talk back to them in English?

 

The halo effect is a cognitive bias which affects how a person’s overall impression of someone (or something) influences their feelings and thoughts about the person’s character as a whole or other specific but completely unrelated traits or skills. It was named as such in Edward Thorndike’s 1920 research into educational psychology and has been corroborated many, many times in nearly 100 years since then.

 

Of course, companies often use the halo effect to their advantage, especially in branding. Subway’s healthy fast-food image is a good example.

 

With English, native speakers in a strange land where they don’t understand the language latch on to somebody who speaks their language. They then associate their interlocutor’s skills in English as being part of a generally skilled individual. Of course, there is no evidence that the interlocutor is a better or worse engineer or manager than the person beside them. Simply, they are able to “appeal” to the native speaker through English.

 

So, what should you do if you find that your overseas visitors don’t value your contribution enough when you meet them? 

 

1. Prepare and practice a couple of short statements that you can use to introduce yourself. 

2. If you know how to contact them before the meeting, drop them a very short email with a short self-introduction saying how excited you are to meet. You can do this as a “thank you” after the meeting instead if you don’t have their contact details beforehand.

3. You are in the meeting room because you have skills to contribute. So rather than worrying about using the right grammar, use the words in English that you already know to make sure your voice is heard.

 

(日本語訳)

 

外国人訪問者とのミーティングの場に居合わせたことがありますか?そこでは、彼らの多くが、流暢な英語で受け答えできる人とだけ話す傾向があることに気付いたことはありますか?

 

「ハロー効果」とは、「認知バイアス」のことで、ある人が他人(や物)について抱いた特定の評価が、その人物の人格やその人の持つ別の、そして全く無関係な特質や技能についての感じ方や捉え方を歪めてしまう効果のことをいいます。エドワード・ソンダイクの1920年の研究によりそのように名付けられ、教育心理学に取り入れられ、以来100年近く実証研究の対象とされてきました。

 

もちろん企業は「ハロー効果」を特にブランドイメージの構築に有効利用しているのが実態です。サブウェイが健康的なファスト・フードの印象を与えているのが、良い例といえます。

 

英語を母国語とする人は、英語が全く通じない環境に身を置くと、専ら英語が話せる人を頼ってしいます。相手の英会話力を、その相手の全般的な能力と関連づけてしまうのです。もちろんその人物が、後列に居並ぶ他の人たちより技術者あるいは管理者としてより有能なのかそうでないのか、検証する材料などないにもかかわらずです。ネイティブ達の注目を集めたその人物は、英語という言語ツールを用いて彼らに自身の存在を「売り込む」ことに成功したに過ぎないのですが。

 

では、外国の客人が貴方の貢献を十分評価しないと感じた時、あなたはどう振る舞うべきでしょうか。

 

1. 自己紹介用の簡単な文章を、2~3事前に準備して練習しておく。

2. 事前に来訪予定者の連絡先が分かるのであれば、簡単な自己紹介と面会への期待を込めたメッセージを事前にメールで送っておく。事前に連絡先情報が入手できない場合には、面談後に感謝のメッセージで同様の対応をすることができます。

3. 貴方が面談に参加したのは、貴方が相手先に貢献することができる十分な技能や資質を備えているからです。ですから、文法の正確性にこだわらず、貴方の発言を相手に聞いてもらえるよう、自分の英語で堂々と語って下さい。

 

 

英国出身、駐日英国大使館 英国貿易投資総省のマーケティングおよび事業部長、オックスフォード大学出版局(東京)マーケティング部長を経て、コンサルティング会社(海外ドットワールド、www.kaigai.world)を設立。現在はコンサルタントとして日本企業の海外進出を支援中。仏、露、日を含む5か国語に堪能。兵庫県たつの市在住。

 

Karl O’Callaghan

Advanced Course (Marketing Strategy) 担当

 


「ハロー効果」の罠に嵌まらないためにも、カールの提言は確かに有効ではないでしょうか。特に3番目の「文法の正確性にこだわらず、自分の英語で堂々と。」、正にこれが肝心要で、相手の発言が理解できなければ、

 

① 理解できるように言い直してもらう。リピートでもゆっくりでも、自分が理解できるよう話してもらうことを堂々と要請する。Would you mind repeating that? I’m not sure I understand your point. Could you speak a bit more slowly?

② 「こういう理解で良いか?」と聞き返す。Do you mean …? Am I correct that ….? If I’m not mistaken, ….

 

また、

③ 貴方がマネージメントの立場で、部下が具体的な話を詳細に行うようなケースでは、最後に要旨だけ何点か自分の英語で完結に述べる。So, the major issues we discussed in today’s kick-off meeting are; (1) the location of the project site, (2) the overall budget and timeline of the project and (3) our responsibility for preparing our preliminary terms and conditions which we will present at the next meeting to be held next month at your office.

④ ミーティングの趣旨、合意事項、検討事項等を箇条書きにして、面談後にメールで確認することを提案し、相手の了承を得ておく。そして、面談後速やかに文書で確認する。So, I think it’s better that we prepare a summary of today’s meeting so that we don't miss anything and so we share the same understanding. I will send this via e-mail to all parties concerned.

 

英語はビジネスコミュニケーションのツールです。発音や文法も重要ですが、面談や交渉の場面では、いかに相手の発言を正確に理解し、自分の発言を相手に通じさせるか、ということに尽きます。それさえ実践すれば、もはや貴方が「ハロー効果」の罠に嵌まることはありません。

 

 

図師 純一郎 CEO

図師純一郎、東京都出身。UCSB (カリフォルニア大学サンタバーバラ校)にてMaster of Arts (MA) in Political Scienceを取得後、三井銀行(現三井住友銀行)に入行。海外の現場で現地企業取引を中心に第一線の業務を担当。外資系銀行に転じ、Vice Presidentに就任。その後も大学で教鞭を取るなど活動の幅を広げる。2015年にアレクシス株式会社を共同設立し、代表取締役CEOとして現在に至る。現場の「臨場感」のある本物のビジネス英語を、若いビジネスパーソンにやさしく伝えたい、という熱い思いは常に変わらない。