会話下手のための会話の切り出し方

Make genuine opportunities to talk to native English speakers at work- Create your own conversation gambits

by Karl O’Callaghan

外国語の習得には、「度胸」が非常に大きな役割を果たします。文法や言い回し、発音は兎も角、知っている単語を並べ、ジェスチャーを大げさに交えれば、何とかなることが往々にしてあるからです。その度胸が触媒となって、更に次の一歩へと繋がるだけに、最初の一歩を踏み出す勇気を身に付けたいと誰もが願うものです。

 

最初の一歩が踏み出せず悩んでいる方には、カールの提言する二つの方法がとても参考になります。来日当初右も左も分からなかった彼自身が、肝に銘じてやってきた二つのTipsです。是非実践してみて下さい。

It’s hard to believe I came to Japan 20 years ago. I still clearly remember landing at Narita armed only with a few basic phrases like “konnichiwa” and “arigato.” When people said anything difficult, like “ohayo gozaimasu” or “domo arigato gozaimasu,” I looked at them perplexed.

 

Still, despite this, I came with the utmost confidence. Fresh from a degree in French and Russian, including time living in both countries, I knew how to learn languages. I had two strategies: 

 

Force yourself to be around native speakers

 

I lived in Paris and St. Petersburg. Both are sprawling cities with millions of local native speakers, yet most my friends were fellow Brits. This meant I didn’t make as much progress in French or Russian as I expected. In Japan, I wanted to force myself to speak Japanese, so I chose a place where there are fewer English speakers. I went to live in rural Iwate. I’m not saying you should live in the boondocks of Canada or the U.S.A., but I am saying that if you work in an international company, make opportunities to be in the same room as native speakers of English so that you can use English naturally. If you can’t do this every day, at least find a way to interact with friends outside of work in English, either face-to-face or online.

 

Create conversation openers

 

My policy when I first came here was to initiate at least three conversations per day. But the catch was that each conversation had to start differently. For example, if I said “Ii tenki desu ne” to one person, I had to say something different to the next person. I’m an introvert, so this was difficult, but I did it! In language education, we call these conversation gambits. You have to take risks to learn language, but engaging another human being in conversation is very low on the spectrum of risks we take in life. This means asking people when you are lost or need help, or simply engaging people in conversation just to make your day—and theirs—more enjoyable. 

 

Next time you see an English-speaking colleague, why not try commenting on their tie, or asking how their latest business trip was?

(日本語訳)

 

職場でネイティブ・スピーカーと話す真の機会を見出そう:自分だけの会話の糸口を模索せよ

 

光陰矢のごとし、来日してもう早20年です。成田に降り立ったとき、私は「こんにちは」と「ありがとう」など、ほんの片言の日本語しか知らなかったことを鮮明に覚えています。「おはようございます」や「どうもありがとうございます」など、難しい言葉に接した時、私はただ茫然と立ち尽くしてしまいました。

 

でも、こんな状況にも拘わらず私は自信満々だったのです。フランス語とロシア語で学位を取得したばかりでしたが、仏露両国での滞在経験もあり、外国語を学ぶコツがわかっていました。方法は二つ。

 

ネイティブ・スピーカーの中に身を投じよ

 

私はパリとセント・ペテルブルグに住んでいました。混沌と広がる両都市には、何百万人もの地元のネイティブ・スピーカー達がいましたが、私の知り合いは同郷のBritsがほとんどでした。これではフランス語やロシア語が期待するほど上達しなかったのも当然です。そこで私は、日本では日本語を話すことを自らに義務付けようと、英語を話す人がいない場所を敢えて選ぶことにしました。岩手の片田舎で暮らすことにしたのです。カナダやアメリカのど田舎に住むべきだと言っている訳ではありませんが、あなたが国際色豊かな会社に勤めているのであれば、英語のネイティブ・スピーカー達と同じ場所に極力居合わせるよう努め、英語を自然に使える環境を作り出してみてはどうでしょう。これを毎日励行できなくても、業務外の時間に対面もしくはオンラインで会話する機会を持つようするのです。

 

会話のとっかかりを見出せ

 

来日当初私は、毎日最低3回会話を率先して始めることにしました。ですが問題は、毎回異なる話題で会話を始めなければならないことでした。例えば私がある人に「良い天気ですね」と言った場合、次の人には別な話題で会話を持ちかけなければなりません。私は内気な方なので、これが厄介でしたが、なんとかやり遂げられました。言語教育において、これを会話の始め方 (“conversation gambits”)といいます。言語の習得には冒険が伴いますが、他人と会話することは、人生におけるリスクテイクの度合いとしては非常に低いものだといえます。つまり、道に迷った際や手助けが必要な時に他人に尋ねたり、或いは単にあなたの一日(と相手方のそれ)をより楽しくするため、他人と会話するのと何ら変わらないということです。

 

次回英語を話す同僚を見かけたら、ネクタイについて感想を述べたり、出張はどうだったか尋ねてみてはいかがでしょうか。

 

 

英国出身、駐日英国大使館 英国貿易投資総省のマーケティングおよび事業部長、オックスフォード大学出版局(東京)マーケティング部長を経て、コンサルティング会社(海外ドットワールド、www.kaigai.world)を設立。現在はコンサルタントとして日本企業の海外進出を支援中。仏、露、日を含む5か国語に堪能。兵庫県たつの市在住。

 

Karl O’Callaghan

Advanced Course (Marketing Strategy) 担当

 


図師純一郎、東京都出身。UCSB (カリフォルニア大学サンタバーバラ校)にてMaster of Arts (MA) in Political Scienceを取得後、三井銀行(現三井住友銀行)に入行。海外の現場で現地企業取引を中心に第一線の業務を担当。外資系銀行に転じ、Vice Presidentに就任。その後も大学で教鞭を取るなど活動の幅を広げる。2015年にアレクシス株式会社を共同設立し、代表取締役CEOとして現在に至る。現場の「臨場感」のある本物のビジネス英語を、若いビジネスパーソンにやさしく伝えたい、という熱い思いは常に変わらない。