アジャイル・コーチが去ったその後で

By Samir Penkar

システム開発の世界では、従来の計画重視型の管理手法であるウォーターフォール開発に代わって、アジャイル開発の手法が急速に普及しつつあります。

 

一括請負型のSI企業を挟んだ開発モデルが一般的な、日本の開発現場固有の問題があり、現場ではアジャイル管理の導入は必ずしもスムーズとは言い難い状況のようです。PMBOKレガシーで管理してきた企業の事情は東西を問わずいっしょで、計画重視が組織の標準。企業の開発文化としてアジャイル管理が新な血肉となるまでには時間がかかりそうです。

 

※ 今回紹介するインタビューに登場するブライアン・ウィリアムズ氏は、シマンテックのアジャイル・リーダーだが、もとは生粋のエンジニア。ポートフォリオ・マネジメントの過程で数百のプロジェクトのアジャイルへのトランジションをサポートする中で、独自のメンター・プログラムを開発した。インタビュアーのサミル・ペンカー自身もスクラム・マスターとしての経験が豊富だが、インタビューを通じて彼自身の経験を踏まえた、「アジャイルを組織に定着させる視点」について、マネジメント層の読者に対して直球で解説してくれた。

Being agile is hard. Doing agile is not.

Teams are bombarded today with agile concepts, scrum boards are springing up in offices, and agile coaches are touting the benefits of agile in every conversation.

 

There is no doubt that agile has bought transparency, speed and enthusiasm to teams. A younger generation today, is growing up and they have experienced nothing but agile as a way to develop software.

 

You see, it’s just a way of working.

 

Project Management Offices are struggling to stay relevant. The once powerful PMO is now being driven to facilitate the portfolio or project intake process or reduced to a reporting body. Increasingly PMOs are no longer dictating processes, enforcing stage gate reviews and creating templates. If you’ve ever wondered if PMOs are losing their power, then just look who they report into, the ever decreasing PMO job listings and salaries of PMO Managers.

 

If you are going through an agile transformation, you need to start preparing for when the agile coaches will leave. How to do keep alive the spirit of agile, the focus on value and maintain the management support required to succeed. It is not a task to delegate. Brian Williams, an agile leader from Symatec Corporation developed an agile mentoring program to address this very scenario. Through a combination of rigorous syllabus, weekly meetings and lean coffee times – this mentoring program prepares agile leaders of tomorrow.

 

If you are part of a team developing software today, you cannot escape agile. But a blind faith in the agile principles and practices is not the path. The best kind of learning happens through experience. That does not mean that you should be working only on agile projects, but a close up encounter with agile teams will help you develop your own perspectives.  

 

If you are part of a team developing software today, you cannot escape agile. But a blind faith in the agile principles and practices is not the path. The best kind of learning happens through experience. That does not mean that you should be working only on agile projects, but a close up encounter with agile teams will help you develop your own perspectives.

 

I encourage you to understand agile by experiencing it up close. The only sustainable skill is the ability to learn. So what will you do when your agile coaches leave?

 

Don’t just do agile, be agile.

 

Samir Penkar

Future of Project Management – the place for people, trends and ideas on project management

 

 

 

(インタビューはこちら)

https://futureofprojectmanagement.com/2012/09/18/agile-marketing-navigate-the-fast-paced-marketing-world-with-agile/

アジャイルにまつわる用語は巷に溢れ、オフィスでも、ここそこにスクラム・ボードを目にする。アジャイル・コーチは口を開けばアジャイルのメリットを力説する。

 

アジャイルがプロジェクト・チームに透過性、スピード、そして熱意をもたらしたのは疑う余地はない。今日の若い世代はソフトウエア開発の唯一の手法であるかのようにアジャイルの教育を受け、プロジェクトを経験している。

 

ただ、誰もが分かっていることだと思うが、アジャイルも単なる仕事のやり方の一つに過ぎない。

 

プロジェクト・マネジメント・オフィスは従来の手法との整合を取るために四苦八苦している。かつては一目おかれる存在だったPMOは、受注プロセスのチェックや組織内のプロジェクト・ポートフォリオ管理、または管理帳票の作成組織となり果てかっての面影はない。彼らの役割は、もはやプロセスの記録、フェーズゲートとなるレビュー開催係、テンプレート作りに過ぎなくなっているのだ。

 

もしアジャイルへの転換をもくろんでいるなら、まずは、アジャイル・コーチが去った時の備えから始めることだ。どのようにアジャイルの精神を持続させ、生み出される価値そのものにフォーカスし、成功に必須となる管理サポートを維持しつづけたらよいか。シマンテック・コーポレーションのアジャイル・リーダーであるブライアン・ウィリアムズは、このシナリオに対応する為のアジャイル・メンターリング・プログラムを開発した。このメンター・プログラムは厳格なシラバスと、週末の気の置けないミーティングを組み合わせることで、まさに次世代のアジャイル・リーダーを育成するものだ。

 

 

もしあなたがソフトウエア開発のチームのマネジャーなら、これからはアジャイル管理は避けて通れないだろう。ただ、アジャイル管理に対する盲信は間違いだ。なぜなら最良の知恵は理論ではなく経験を通して身に付くものだから。アジャイル・プロジェクトだけに専念すべきだと言っているわけではないが、アジャイル・チーム・メンバーと一度は深くつきあってみることは、自分自身の物の見方を変えてゆくことに役立つだろう。

 

アジャイルについては、まず実際のプロジェクトに自分自身でどっぷりつかってみることをお勧めしたい。いつまでも失われない唯一のスキルは学習能力だ。さあ、アジャイル・コーチが去った後であなたなら何をする?

 

 

Don’t just do agile, be agile.

 

"アジャイルで開発する、ではなくアジャイルな日常の中で開発せよ”

 

「コーチに言われたから、今回、単にアジャイルでやってみた、というのではいつまでたってもダメ。頭の先からつま先まで、全組織を挙げて全身アジャイルに染まった開発プラクティスの実践と開発文化の変革を心掛けよう。」

 

(日本語抄訳:アレクシス株式会社)

 

 

Samir Penkar : 米国のコンサルティング企業において15年以上に渡りPM、スクラム・マスターとして活躍。TVインタビュー、著作、受賞歴も多数。インド屈指の名門ムンバイ大学でMBAを取得。CSM(スクラム・マスター)、PMPの資格保持者。米国ミネソタ州、エデン・プレイリー在住。

 

Standard Course: Agile Project Management 担当



図師純一郎、東京都出身。UCSB (カリフォルニア大学サンタバーバラ校)にてMaster of Arts (MA) in Political Scienceを取得後、三井銀行(現三井住友銀行)に入行。海外の現場で現地企業取引を中心に第一線の業務を担当。外資系銀行に転じ、Vice Presidentに就任。その後も大学で教鞭を取るなど活動の幅を広げる。2015年にアレクシス株式会社を共同設立し、代表取締役CEOとして現在に至る。現場の「臨場感」のある本物のビジネス英語を、若いビジネスパーソンにやさしく伝えたい、という熱い思いは常に変わらない。