プレゼンテーションの極意:聞き手を知ることの重要性

Presentations: the importance of knowing your audience

by Karl O’Callaghan

聴衆の心に響くプレゼンを行いたい!でも、どうやって??

 

プレゼンの成否が、発表者個人の資質のみならず、発表者の所属する部署・企業・団体等のイメージに与える影響は計り知れません。また、人前での発表に緊張は付き物。必ずしも普段の実力が発揮できるとは限りません。プレゼン成功の秘訣は誰もが求めているテーマではないでしょうか。

 

カールの提言する4つのポイントは極めて明快でシンプル、一貫した視点に基づいたものです。プレゼンの設計、文案作成の段階から、これらのポイントに留意するだけで、間違いなく一味違うプレゼンが可能となるでしょう。

 

TED 2009 @ Long Beach - participants, photo : veni markovsk

 

Often in business, we have to give presentations. These might be internal presentations within our own team or to the whole company. Perhaps, it’s a very important presentation to the senior management. External presentations might involve trying to get somebody to buy something, or to get somebody to invest in our start-up.

 

Quite often, when we present, we get so nervous that we focus only upon ourselves and the message that we want to put across. It’s easy to forget that there are other people in the room, and if you want to convince them of something, you have to care to prepare.

So, before your next presentation, find the answers to the following questions before you prepare your message.

 

How many people will be there?

 

You might be presenting in a small meeting room for five people, or in a huge auditorium with hundreds. Is there anybody who is not going to be there? Maybe you should consider how you will share your message with those people afterwards, too.

 

What roles do these people play?

 

Let’s imagine you are trying to sell an innovative marketing solution to a fast-growing start-up. The CMO cares about the latest solutions because they make her life easier and she looks better at her job. But the CFO cares about the burn rate. He doesn’t want to spend money too quickly or unnecessarily. How will you put across the message that your solution can help them sell more and even save money in the long run?

 

What does your audience already know?

 

If you are presenting to a group of financial professionals, it is not only boring, but a waste of everyone’s time to explain what a burn rate is. Think about what they know but also what they don’t know. If there are some experts in the room, you could even use your audience to help you explain to non-experts. But you need to know before you start!

 

How well do they know you?

 

“You” can mean yourself or your company. If the audience knows you, they are more likely to trust you. But if they don’t know you, establishing trust and a rapport at the beginning becomes very important indeed.

 

(日本語訳)

 

仕事上プレゼンテーションを行う機会は、良くあることです。チーム内向け、若しくは全社向けのプレゼンかも知れません。経営陣向けであれば、おそらく重要なプレゼンということになります。外部向けプレゼンの場合には、商品の販促や新規事業への投資勧誘かも知れません。

 

プレゼンする際、往々にして過度の緊張からとかく自分のことやどんなメッセージを効果的に発表すべきか、にだけ集中してしまうことがあります。会場には集まった聴取がいることや、説得力あるプレゼンをしたい場合に、用意周到な準備が必要であることを忘れがちです。

 

そこで、次回プレゼンの際には、文案の準備前に次の質問への回答を用意してみてはいかがでしょうか。

 

何人の聴衆を相手に話すのでしょう?

小部屋で5人を相手にプレゼンすることもあれば、講堂やホールで何百人を相手することもあるでしょう。参加できない人がいますか?後日あなたは、そういう人達とどのようにあなたのメッセージを共有すべきか、について考える必要がるかも知れません。

 

聴衆は組織の中でどのような役割を担う人たちですか?

では、あなたが革新的なマーケティング・ソリューションを、成長著しい新興企業に販売したい状況を想定してみましょう。CMO(最高マーケティング責任者)であれば、自身の業務効率化や立場向上の意味で、最新のソリューションに注目しているでしょう。しかしCFO(最高財務責任者)は「現金燃焼率 」が気にかかるでしょう。彼は資金の急激な若しくは不必要な流出は好まないでしょう。あなたのソリューションが販売促進の一助となり、長期的なコスト削減につながるか、そのメッセージをいかに効果的に伝えるが肝心です。

 

聴衆は既にどんな情報を持っていますか?

金融のプロ集団向けのプレゼンで「現金燃焼率*1」を解説したところで、退屈なだけで参加者にとって時間の無駄でさえあります。聴衆が何を知っているかだけでなく、何を知らないか、を考えてみて下さい。会場に専門家がいる場合、その専門家に一般聴衆への解説を手伝ってもらうのも手です。肝心なのは、プレゼンを始める前にそのことを知っておくことです。

 

聴衆はあなたのことをどれだけ知っていますか?

「あなた」とはあなた自身もしくはあなたの会社のことです。聴衆があなたのことを既に知っているとすれば、あなたのプレゼンを信じる傾向が強い。ですが、あなたのことを知らないとすれば、プレゼン開始直後に聴衆の信頼を得、親密な関係を構築することが非常に大切です。

 

 

*1 現金燃焼率(Cash Burn Rate): 黒字化前の新興企業の資金余力を図る尺度。開業間もない新興企業の場合、営業経費・人件費・商品開発費等の支出が、毎月の営業活動などの収入を上回り、純現金収支がマイナスとなるため「現金燃焼率」が高くなる。手許資金が何か月分の現金燃料率に相当するかを算出することにより、その企業の資金余力や増資の要否とそのタイミング等を推し量ることができる

 

Karl O’Callaghan

 

英国出身、駐日英国大使館 英国貿易投資総省のマーケティングおよび事業部長、オックスフォード大学出版局(東京)マーケティング部長を経て、コンサルティング会社(海外ドットワールド、www.kaigai.world)を設立。現在はコンサルタントとして日本企業の海外進出を支援中。仏、露、日を含む5か国語に堪能。兵庫県たつの市在住。


図師純一郎、東京都出身。UCSB (カリフォルニア大学サンタバーバラ校)にてMaster of Arts (MA) in Political Scienceを取得後、三井銀行(現三井住友銀行)に入行。海外の現場で現地企業取引を中心に第一線の業務を担当。外資系銀行に転じ、Vice Presidentに就任。その後も大学で教鞭を取るなど活動の幅を広げる。2015年にアレクシス株式会社を共同設立し、代表取締役CEOとして現在に至る。現場の「臨場感」のある本物のビジネス英語を、若いビジネスパーソンにやさしく伝えたい、という熱い思いは常に変わらない。